高齢者のフットケアで注意すべきポイント

高齢者の介護をする上でフットケアは欠かせません。足爪は立つ、歩くなど基本的な動作でバランスを保つ役割を果たしていますが、高齢になると爪が乾燥して割れやすくなり、結果的に歩行困難や転倒の危険性が出てくるのです。そのため爪の状態を日々チェックしておき、伸びた頃には適切な長さに切っていく必要があります。

フットケアを行う際に注意すべき点は爪を切る時の姿勢で、利用者をベッドや椅子に座らせ、同じ向きにしゃがんで、自分の膝上に利用者の足を固定させて切っていきます。対面の方がコミュニケーションが取りやすいようにも感じますが、向かい合って切るのは死角が多く、切り忘れが生じる可能性があるため、普段自分が爪切りしている姿勢を意識することが大事です。

自分の膝上に利用者の足を乗せるのは、転倒の危険性を無くすためです。座らせて爪を切るから絶対に安全とは言い切れず、例えば足先だけを持ち上げて爪を切るスタイルでは、足先にのみ集中してしまうので利用者の様子が確認出来ません。特に車椅子に座った状態だと体重が前にかかり、作業に集中するあまり転倒の危険性が出てくるので、必ず自分の膝上に利用者の足を乗せて、膝下全体を支えるように爪を切るようにしていくことが大切です。

また、爪の切り方については、白い部分は1~2ミリは残しておきます。巻き爪防止のために角は切り過ぎないように四角に切り、最後はやすりで仕上げると、利用者の足爪は安全な状態を保てるようになります。