介護現場でフットケアが必要なわけとは

人間は年齢を重ねると徐々に足の機能が衰えてきて、様々なトラブルに見舞われるようになります。そのまま放置していると、転倒の原因になってしまうおそれもあるため、もし足に何らかの異常が見られるような場合には、すみやかに治療を施さなければなりません。

介護の現場では、そのようなトラブルを未然に防止するために、高齢者に対してフットケアと呼ばれる取り組みが行われるようになってきています。例えば、爪が変形してしまうと歩く際に痛みを感じてしまうようになるため、そうならないように定期的に爪を切って適切な長さを保つようにするというのもフットケアの一つです。特に、糖尿病のような生活習慣病を抱えている高齢者は、爪が変形しやすくなっているので、このような爪のケアは足の健康を保つために必須であると言えるでしょう。

このほかにもフットケアは行われます。年を取ると足の裏の皮膚が乾燥してカサカサになってくるのですが、そのままにしておいた場合、ひび割れが生じて出血したり、そこから細菌が侵入して化膿してしまったりするというリスクがあります。そのため、ひどく乾燥しているようであれば、保湿クリームを塗って適度な潤いを与えるといったことが必要です。

またその際、同時に軽くマッサージをしてあげるのもおすすめです。足の裏には全身につながるツボが存在しているため、刺激を加えることによって、脳を活性化させて認知機能の低下を予防することができるからです。こうした高齢者へのフットケアは、より良い介護のために必要な仕事の一環です。